皆さん大変ご無沙汰しています。やっと『東京ミニトラベル』の第3回をお届けします。
今回は台東区、墨田区に引き続き文京区のコミュニティバスBーぐる君での散歩です。出発点は、文京区
シビックセンターです。センターの案内所でB-ぐる路線図等のパンフを頂けます。最初はセンター近くの
小石川後楽園を訪ねましょう。徒歩10分程度です。後楽園という庭園は岡山県とここ東京の2カ所です。
岡山後楽園は、江戸時代初期の藩主池田綱政が造園し、14.4haの広さです。
小石川後楽園は、寛延六年水戸徳川初代が造営を、二代光圀が完成させた回遊式泉水庭園で、
水辺は旧神田上水の分流を引き入れています。
東入場門で後楽園ドームのすぐ横です。開園時間は9:00~17:00で入園料は一人300円ですが
65歳以上はシルバー割引きで150円、小学生以下都内在住、在学の中学生は無料で利用できます。
さすが都立庭園シルバーに優しい。
門から内庭に沿って進むと、かっての園の正式な入口、唐門が有り陽明門と同じ様式の彫刻があります。
大泉水を右に進むと湖の中ほどにある蓮英島に謎の鳥がいたよ。また、誰か知ってる人教えて。
蓮の花咲く通天橋を眺め渡ってゆくと、沢渡りの石畳がこの中国様式の庭園を際立たせて独特の雰囲気を
作っています。ただ、残念なのはドームのイベントアナウンスが大音量で漏れていました。
さて、シビックセンターに戻り本郷、湯島ルートのバスに乗って東京大学本郷キャンパス、
学問の神様菅原道真公の湯島天神と湯島聖堂(元禄三年五代将軍徳川綱吉により建てられた孔子廟)や
お茶の水の大学通りの明大横にある山の上ホテルや聖橋通りのニコライ堂を散策し神田明神に向かいましょう。
湯島聖堂の大成殿(孔子廟)堂内には巨大な孔子像が祀られています。西門横には聖堂の全体図と由来が
掲示されています。又、敷地内には幕府直轄の昌平坂学問所(後の東京大学の基礎となった学問所)が
併設されていました。昌平の由来は孔子の生まれた村の名前からきています。
ホテルのイニシャル窓枠
御茶ノ水駅前の坂道を少し下り明治大学本館手前を右に曲がるとアールデコ調の建物山の上ホテルが見えてきます。
開業は1954年で川端康成や池波正太郎、松本清張など多くの文人墨客が定宿として作品作りをしていました。
別名をヒルトップホテルと呼ばれ戦後一時、米軍に接収された歴史があります。
ただ、残念なことに今年3月に耐震性と老朽化に伴い閉館になりました。いずれ建て替えて再開するそうです。
ニコライ堂の横顔 日本医科歯科と順天堂病院
神田川を聖橋で渡り、坂道を淡路町方向に下ると右手にニコライ堂(1992年に再建された
バロック建築のロシア正教会・関東大震災復活大聖堂)が都会の雑踏の中、凛として佇んでいます。
聖橋とは、神田川を挟んだ二つの聖地を結ぶ橋として名付けられ、橋の上から水道橋方向を見ると、
東京医科歯科大学の研究棟が有り、上部の壁面にレリーフがはめ込まれています。これは古代ギリシャの
ヒポクラテスによる『医師の誓い』です。中央は、対話は教育の原点であり古代ギリシャの哲人集会を表し、
右は、米国の医師ウイリアム・モートンが世界初の全身麻酔公開実験を表したレリーフです。
日本医科歯科のレリーフ
神田明神下のこうじや平野屋 お店横のショーウインドウに何故か
群馬上信電鉄の凸型機関車の模型が???
神田明神門前入り口の糀屋、天野屋は創業弘化三年(1846年)で、自前の糀室を持ち、最初は竪穴から横穴を
作った穴室であったが、明治37年(1904年)に関東ローム層の地下6mにアーチ型レンガ作りの室を設置、
現在でも震災、戦災を乗り越えた一部の室で丁寧な手作りで製造を続けている。
糀室の説明版が設置しているよ。
優美な朱塗りの門、さすが豪華です。 奉納部隊のシャッターに描かれた江戸時代の祭り風景
神田明神(江戸総鎮守)は、神田、日本橋、秋葉原、丸の内、旧神田市場、豊洲魚市場の108町会の
氏神様で、御祭神は大己貴命(大黒様)少彦名命(恵比須様)平将門命(まさかど様)の三体を
お祭りしています。慶長五年(1600年)関ヶ原合戦の戦勝祈願を徳川家康が行い勝利し、家康から
祭礼を絶やすなと命じられ現在まで続く。江戸三大祭りの神田祭は有名です。
初期の頃は将門首塚付近に建立されていました。
本社、社殿は総檜作りで荘厳なり。 社殿前に鎮座する狛犬さん。
湯島天神は御祭神に天之手力雄命(あめのたじいからをのみこと)菅原道真公(すがわらのみちざねこう)を
お祭りしている。社名を湯島天満宮という。天神信仰とは、神様と崇められた道真公の心霊に対する
信仰をいいます。道真公が火雷天神と称され雷神信仰と結びつき『天満大自在天神』の神号を賜り
公の神霊への信仰を(天神信仰)と呼ぶ。
柔道祖師、嘉納治五郎の講道館本館。玄関正面には治五郎の立像が設置されている。
治五郎の師範遺訓。嘉納治五郎は、柔道を「心身の力を、もっとも有効に使う道である」と説き、
その道を講ずるところとして「講道館」を立ち上げました。「講道館」は柔道を教えるだけでなく、
柔道を通して社会に貢献できる心構えを養う場所でもあります。
駒込通の立派な史跡道標 六義園の入り口風景で17時閉園です。
六義園は、造園当時から小石川後楽園とともに江戸の二大庭園に数えられた。柳澤吉保が元禄八年(1695年)
五代将軍徳川綱吉より与えられた駒込の地に自ら設計、指揮し七年の歳月をかけ『回遊式築山泉水庭園』を
造りました。庭園の名称は中国の古い漢詩集である『毛詩』の『詩の六義』からきています。
明治時代に岩崎彌太郎(三菱創始者)の所有となり、昭和13年に東京市に寄贈され現在に至る。
皆さん、文京区の名所史跡巡りはいかがでした?時間があれば近くにツツジの名所の根津神社やバラの名所の旧古川庭園、
ゴシック建築の旧岩崎庭園などまだ見どころがたくさんあります。
台東区、墨田区、文京区と三つの区の循環バスによるミニトラベルを紹介しましたが、どれも一日では周りきれません。
どうかゆっくりと時間をかけて新しい発見をしてくださいね。